全国第一位の湧出量を誇るとともに10種類の温泉質が楽しめる質・量ともに日本一の湯治王国がここ九州別府である。
「別府八湯(べっぷはっとう)」と呼ばれる別府、明礬(みょうばん)、観海寺(かんかいじ)、鉄輪(かなわ)、浜脇(はまわき)、堀田(ほりた)、亀川(かめかわ)、柴石(しばいし)の各温泉からなり、地中深くから熱湯や泥湯が噴出する「地獄」と呼ばれる場所を巡る「地獄めぐり」がここの観光定番である。
一方で紺碧の別府湾は魚介類の宝庫。太平洋と瀬戸内海を分ける豊後水道(ぶんごすいどう)は関アジや関サバなどのブランド魚を始めとする海の幸も豊富である。ここ別府の街中から少し外れた丘の上にたつ和風旅館が「旅亭 松葉屋」である。
玄関からは広葉樹が茂る中、飛び石を伝うとギャラリーともなっているロビーが旅の雰囲気を盛り上げる。半露天風呂の「薬師の湯」は中国福建省(ふくけんしょう)の山中で発見された巨大な一枚岩をくりぬいた浴槽であり、これだけで一見の価値がある。
湯船につかったまま別府市街を一望できる贅沢は小高い丘の上にたつこの旅館の強みである。夕食は、旬の豊後水道の食材をふんだんに使った滋味に富む会席料理。お腹も体も目も満足できる湯治場である。