信州中仙道下諏訪宿(しんしゅうなかせんどうしもすわのしゅく)に元禄元年(1689年)に創業された老舗旅館が、丸に桔梗の紋所の「桔梗屋(ききょうや)」である。
木造二階建てのこじんまりした温泉であるが、古い歴史のある温泉地の温泉、無色透明で肌に優しい炭酸泉のお風呂はもちろん24時間いつでも楽しめ、料理も信州牛や、信州名物の馬刺しなどの肉料理の他、様々な信州の地元料理で旅人の心を和ませてくれる。
熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷えているうちにという心遣いで、まごころこめて調理され、寒晒蕎麦(かんざらしそば)と呼ばれる独特の蕎麦もここ「桔梗屋」のご自慢である。
数々の著名人も宿泊するこの老舗 温泉は、幕末の公武合体(こうぶがったい)の折に、将軍徳川家茂(とくがわいえもち)に降嫁した皇女和宮(かずのみや)は本陣への宿泊であったが、和宮様の母君の観行院(かんこういん)とお付きの方々はここ「桔梗屋」に宿泊したという。
玄関にはほのかに香が焚かれ、一歩宿に足を踏み入れた瞬間から、江戸時代にタイムスリップしたような気にさせるたたずまいは、流石に歴史ある老舗と脱帽せざるを得ない。諏訪大社も程ちかいところにあり、旧中仙道の碑などを散歩するのにもうってつけの温泉である。